外国人がホテルで働く場合の在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」となります。これはその人でないとできあにような専門性や母語が生かせるような業務である必要があります。
客室掃除や食事の準備や接客、フロント業務も単純労働と位置づけられていますので、それだけでは不許可となります。ベトナム人だったらベトナム人観光客が多く宿泊するホテルの場合でしたら、ベトナム語や日本語が生かせるとして許可となる事例もあります。
平成27年12月に法務省入国管理局から発行された文書「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」に在留資格の許可事例と不許可事例が載っております。
ここで許可事例としてでているからOKというわけではなく、個々の事案についての可否は個別の審査を経て判断されますので、出してみないとわからないところが大きいでしょう。
許可事例
ベトナムの大学卒業者
①本国の大学の観光学科卒者
外国人観光客が多い日本のホテル
月額約22万円
外国語を用いたフロント業務,外国人観光客担当でホテル内の施設案内業務等に従事
②本国の大学卒者
本国からの観光客が多く利用する日本の旅館
月額約20万円
集客拡大のための本国旅行会社との交渉に当たる通訳・翻訳業務,従業員に対し外国語指導の業務等
日本の大学卒業者
③日本の経済学専攻の大卒者
日本の空港に隣接するホテル
月額約25万円
集客拡大のためのマーケティングリサーチ,外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)作成などの広報業務等
④日本の経営学専攻の大卒者
外国人観光客が多く利用する日本のホテル
月額約30万円
総合職(幹部候補生)として採用された後,2か月間の座学を中心とした研修及び4か月間のフロントやレストランでの接客研修を経て,外国語を用いたフロント業務,外国人観光客からの要望対応,宿泊プランの企画立案業務等に従事
日本の専門学校卒業者
⑤日本の専門学校の日本語の翻訳・通訳コースを専攻して卒業した者
外国人観光客が多く利用する日本の旅館
月額約20万円
フロントでの外国語を用いた案内,外国語版ホームペ-ジの作成,館内案内の多言語表示への対応のための翻訳等の業務等に従事
⑥日本の専門学校でホテルサービスやビジネス実務を専攻し,専門士の称号をもつ者
宿泊客の多くを外国人がしめるホテル
修得した知識を活かしてのフロント業務や,宿泊プランの企画立案等の業務に従事
高度なプロフェッショナル
⑦海外のホテル・レストランにおいてマネジメント業務に10年間従事していた者
国際的に知名度の高い日本のホテル
月額60万円
レストランのコンセプトデザイン,宣伝・広報に係る業務に従事
不許可事例
①本国の経済学専攻の大卒者
日本のホテル
主たる業務が宿泊客の荷物の運搬及び客室の清掃業務
②本国の日本語学専攻の大卒者
日本の旅館
外国人宿泊客の通訳業務
③日本の商学専攻の大卒者
新規に設立された日本のホテル
駐車誘導,レストランにおける料理の配膳・片付けの業務
④日本の法学専攻の大卒者
日本の旅館
月額約15万円
フロントでの外国語を用いた予約対応や外国人宿泊客の館内案内等の業務
⑤日本の専門学校の服飾デザイン学科を卒業し,専門士の称号を付与者
日本の旅館
フロントでの受付業務
⑥日本の専門学校のホテルサービス・ビジネス実務等を専攻し,専門士の称号の付与者
日本のホテル
フロント業務を行うとして申請があったが,提出された資料から採用後最初の2年間は実務研修として専らレストランでの配膳や客室の清掃に従事